高齢者の転ばない暮らし方について
転倒・骨折は、寝たきりや要介護の主要な原因の一つになります。年齢を重ねても健やかで実りある日々を送りためには、転倒・骨折を予防して、自立した日常生活を送ることが大切です。救急搬送された65歳以上の方の80%は、転倒が原因でのケガです。また、高齢女性の骨折のうち80~90%以上は転倒が原因です。ご自分と大切な方が転ばないための暮らしをはじめましょう。
転びやすい状態について
過去1年間に転んだ経験がある人は、その後の1年間に再び転ぶリスクが約5倍になるといわれています。歩く速度が遅くなったと思う人や、杖を使っている人、背中が丸くなってきた人、薬を5種類以上毎日飲んでいる人は転びやすい状態ですので、注意が必要です。
転ばないための習慣
転ばないからだづくりが大切ですが、転倒は毎日の習慣とも大きくかかわっています。日頃からよくからだを動かし、無理なく楽しく自分にあった運動を続けましょう。
-こまめにからだを動かそう-
日常生活での家事や外出、通勤なども含めて運動ととらえて続けましょう。
-日光を浴びて散歩しよう-
日光を浴びると皮膚でビタミンDが作られます。ビタミンDには骨を丈夫にしたり、筋肉やバランス力を高める効果があり、転びにくいからだをつくることがわかってきました。
-無理なく楽しくエクササイズを続けよう-
自然に楽しく続けられるエクササイズを習慣にしましょう。
-足の裏の感性を磨こう-
足には手と同じくらい敏感な感性と運動機能があります。裸足や鼻緒ものを履くなど心がけましょう。足指じゃんけんもおすすめです。
-こまめに水を飲もう-
水分不足はからだに変調をきたしやすく、転びやすい状態を招きます。のどが渇く前に、こまめに水分補給の習慣をつけましょう。起床後と就寝前の水分補給は基本にしましょう。
転ばないための住まいづくり
高齢者の転倒の多くは、家の中で起こっています。家の中で転ばないためにも、日頃から転びにくい生活環境を整えましょう。
-転ばないためのチェックポイント-
① 床の上には、なるべく物を置かないようにしましょう。
② 部屋の家具や小物は整理しましょう。
③ ペットの動きに注意しましょう。
④ 絨毯やマットの端に足が引っかからないように固定しましょう。
⑤ コード類を隅か壁に固定しましょう。
⑥ 見えづらい場所の照明やスイッチを工夫しましょう。
⑦ 収納位置は無理のない姿勢で出し入れできる位置にしましょう。
⑧ 部屋の中では滑りにくい履物で歩くようにしましょう。
⑨ 階段やトイレには、手すりをつけましょう。
⑩ 滑りやすい場所には、滑りにくいマットなどを利用しましょう。